小さな通路
案内されて中に入るとまた細い通路を曲がりくねって進み、小さな待合室につきました。
待合室には椅子が数個おいてあり、その正面は大きな鏡でした。
「お待ちかね、今夜のは、名門女子大出身で、遊びたいお金も欲しいという欲張り二人組、しかもレズときたら答えられませんね、二人一緒に落札していただきましょう」とマイクの声が遠くから聞こえてきました。
「ここね、っていってね、専用なの、」
「これマジックミラーになっててね、あちらからは私たちが見えてね、それで好きな金額で競り落とすという訳ね、どう面白いでしょう、競り落とされるまで相手がどんな男性か全然わからないの、そこがまた面白くてね」
「あ、いやなら断ってもいいのよ、でもお金のためには断れないというのが、なんていうかゾクゾクしてくるでしょう。」と礼子さんが話してくれました。
私は礼子さんも随分と前とは変わったのねと思いました。
もしかして、私にぴったりの男性が現れるかもしれないと思い、誰が競り落とすのか確かめようと思って成り行きを見守っていました。
すると私たちは二人で5万で競り落とされたようで、高いのか安いのか私には見当が付きませんでした。
部屋をでると、また小さな通路を通って、別の出口で男性二人と対面しました。
いかにもそうな中年の男性の二人は、礼子さんとは顔なじみのようでした。
礼子さんは「ねえ、二人とも、あれはすごいのよ、テクニック抜群だし、スタミナ十分で、朝まででもだいじょぶなの、ぜったい経験するチャンスよこんな機会一生ないわよ」としきりに勧めてくれます。
私はなんだかすごい経験が出来そうな気がして、一緒にいく事にしまた。
ビルをでると、すぐにタクシーが待っていて私たちは後ろの席に押し込まれました。
タクシーはわずか数100メートルくらい走っただけで、ビルの駐車場に入りました。
私は男達に両側を付き添われて階段を上がりました。
二階に上がってドアを開けると、なかは小さな事務所のようでした。
しかし、ドアの側の傘立てには木刀が何本もあり、竹刀もありました。
なかには、数人のいかにも人相のよくない男達いて、私たちを待ち構えていました。
これはまずいことになったと思って私は礼子さんにしがみつきましたが、礼子さんの身体も震えていました。
「いいか、二度とあの店にでるんじゃない、わかったな、お前らは次からは俺たちの身内の店にでてもらうからな」と男が言うと、礼子さんにつかみかかりました。
どうやら、同じような店が2店あって、互いに別のが経営しているようでした。
これは本当にまずいことになったと思っていると礼子さんが「こんなことして、どうなるのか分かってるの」と威勢良く怒鳴り返しました。